2日目の検査で造影剤のアレルギー反応はあったが検査自体は問題なかった。あらたな腫瘍の進行も無く担当医の話によれば概ね治療は順調という事だった。2日目の夜、嫌な嫌なCVカテーテルの装着も終わった。これからは副作用との本気の戦いが始まる。
今回のブログはシリーズものです。まだの方はこちらからどうぞ↓
検査を終えて3日目の朝。
※ブログ内の薬品名、医学用語はあくまでも私が医師から聞いた話や自身で調べた結果による内容です。私は、医学を学んだわけでもありませんので、あくまでも実体験に基づいて書いております。もし、治療中の方や相談などはご自身の医師にお願いします。その点にご留意していただきますようお願い申し上げます。
担当医が私の病室を訪れてこう言った。
『おはようございます。先日、話した抗がん剤のレベルを上げたいと思います。
治療は予定通り今日から行うんですが、抗がん剤が届き次第治療を開始していきます。』
事前に聞いてはいたが今回も直前での治療方法の変更だ。今回に限っては変更というよりも改善と言った所か。
薬のレベルが上がる。
日本で行われる抗がん剤治療の基準は欧米人のデータを基にされていると、この時に初めて聞いた。欧米人は日本人よりも体が大きく、持っている酵素なども日本人も含まれるアジア人のそれとは違うそうだ。だから、薬を分解できる量も耐えられる量も違うらしい。当然、抗がん剤も同じ量、同じ強度では行われない。
なぜなら、アジア人の体がその治療に耐えられないからということだった。
(体格、体質、体重によってはそうでは無いかもしれません。)
耐えられない、、、。
『つまり、死ぬという事?!』と私は訊いた。
担当医は硬い表情で言葉を選びながらこう言った。『そうなることもあります。』
その表情を見て私は覚悟をした。
抗がん剤の治療にレベルがあることも治療方法が色々あることもこの時初めて知った。
先日知った造影剤でのアレルギー症状や血管漏出の事も、この時から気になっていたのでこの日からより具体的にblogを書くことにした。
備忘録の一環として始めるつもりだったこの
『風邪だと思ったんですが、、、。悪性リンパ腫闘病記』
だけど同じ病気や同じような病気な人、ケガや孤独と闘ってる人やその家族に知って欲しい、伝えたいという風に変わっていったきっかけの一つになった。
そして、、、実際この日から薬のレベルは上がった。
前回の抗がん剤のレベルは『R-EPOCH療法』のレベル2だった。今回からレベル3に上がった。
ここで使っている薬品と実際に投与された薬品の量を紹介したいと思います。
1日の投与量では無くて1クール当たりの投与量です。予め薬剤師が医師と相談して、計算で出た数字では無くて、私の体調などによって予定より、少なく投与された可能性もある為にここでは実際の投与量を書いていきます。
前回までのR-EPOCH療法 抗がん剤投与量 Lv2 の場合
(これは。私の病状、心臓の合併症、体格、体質を考慮して作られたものです。人によって違います。あくまでも私に投与された量です。)
※実際の投与された抗がん剤の量は、この数値に私の体の表面積を掛けたものとなります。
リツキサン・・・650㎎
ピンクシリチン(オンコビン)・・・0.69㎎
ドキソルビシン・・・20㎎
エドポシドリン酸塩(エドポシド)・・・100㎎
シルクファミド(エンドキサン)・・・1500㎎
水溶性プレドニン(ステロイド)・・・100㎎
※カッコ内は商品名です。
⇩この今回からこうなりました。
今回からのR-EPOCH療法 抗がん剤投与量 Lv3 の場合
(これは。私の病状、心臓の合併症、体格、体質を考慮して作られたものです。人によって違います。あくまでも私に投与された量です。)
※実際の投与された抗がん剤の量は、この数値に私の体の表面積を掛けたものとなります。
リツキサン・・・650㎎
ピンクシリチン(オンコビン)・・・0.69㎎
ドキソルビシン・・・25㎎
エドポシドリン酸塩(エドポシド)・・・125㎎
シルクファミド(エンドキサン)・・・1800㎎
水溶性プレドニン(ステロイド)・・・100㎎
※カッコ内は商品名です。
見ていただくとお分かりになると思いますが今回の治療から下記の3種の抗がん剤が増えております。
ドキソルビシン・・・5㎎増
エドポシドリン酸塩(エドポシド)・・・25㎎増
シルクファミド(エンドキサン)・・・300㎎増
ここで各薬品の働きと副作用を書いていきます。
R-EPOCH療法に用いられる薬品とその副作用まとめ
()内は商品名。別名です。詳しくは、薬剤師、医師へ確認ください。
R・・・リツキシマブ(リツキサン)
・アレルギー症状として悪寒、悪心、頭痛、掻痒、皮疹、咳、虚脱感、血管外漏出 など
E・・・エトポシドリン酸塩(エドポシド)
・骨髄抑制・アレルギー反応・骨髄抑制・間質性肺炎など
P・・・Prednisone(商品名プレドニゾロン)ステロイド薬
・感染症、骨粗鬆症、糖尿病など
O・・・Oncovin(商品名オンコビン)Vincristineビンクリシチン(商品名オンコビン)
・骨髄抑制、末端神経障害、脱毛、錯乱、昏睡、イレウス、消化管出血、消化管穿孔、アナフィラキシー、心筋虚血、脳梗塞、難聴、呼吸困難・気管支痙攣、間質性肺炎、肝機能障害・黄疸など
C・・・Cyclophosphamidシクロホスファミド(商品名エンドキサン)
・アナフィラキシー様症状、骨髄抑制、出血性膀胱炎、排尿障害、イレウス、胃腸などの炎症、肺炎、心筋障害、心不全、肝機能障害、急性腎不全、黄疸など
H・・・Hydroxydaunorubicinドキソルビシン(商品名アドリアシン)
・心筋障害、心不全、骨髄抑制、出血、頻脈。口内炎、嘔吐、悪心、食欲不振、下痢、脱毛、発熱など
この中のE・C・Hが増えるという事は?!
E・C・Hの副作用は、、、?!
骨髄抑制、アナフィラキシー様症状、骨髄抑制、出血性膀胱炎、排尿障害、イレウス、胃腸などの炎症、肺炎心筋障害、心筋梗塞、口内炎、嘔吐、悪心、食欲不振、脱毛、発熱、肝機能障害、急性腎不全、黄疸・・・等々。
『はあ~~~。』深い深い溜息が出たというか声が漏れた。この事を調べている病室のベットの上でスマホ片手に寝転がりながら見てたんだがベッドの上にそのまま腕を投げ出した。
『やーめた。』思わず声が出た。今回から4人部屋になり、他の患者が寝静まった病室で、そんなのも気にしないくらいに声が出た。
それほど、嫌なマイナスなネガティブな情報だった。良いことは一つもない。
しいて言えば、、、。
今の病状を改善できるかもしれないという事だった。←これの為に治療をしてるのだが、、、。
病気やケガが長引けば長引くほど、この繰り返しかもしれない。立ち直ったり、上を見あげた瞬間、次の山が見える。それも前回の山より大きく険しい。
でも、私は今までの経験からしっかりの準備して挑めば対応できるだろうという事も少しではあるが感じていた。でもなぁ・・・。不安と期待が交錯する。
『もう寝よ。』そう言ってスマホの画面を消すこともなく、充電器を指すこともなく放置して目を閉じた。
この日は前回までと同じ量の同じ薬。次の日から始まる『R-EPOCH療法』のレベル3の治療に向けて早めに寝ることにした。
どうにかなるよな。前もそうだったし。今回もきっと・・・。大丈夫だよな。と。
最後まで読んでいただまして、ありがとうございました。感謝いたします。