(新)風邪だと思ったんですが。悪性リンパ腫闘病記

風邪だと思って病院に行って出された診断結果は『悪性リンパ腫』そこから始まった血液のがん、抗がん剤治療、副作用、不安な日々との闘い。 そんな私とその家族の日々を書き綴ります。

抗がん剤治療第4クール。開始。

抗がん剤の治療が始まって4回目の入院。気が付けば暦は3月になっていた。今年度も今月で終わり。もうすぐで子供の学年も一つ上がる。子供の学校で務めていたPTAの役員の活動も去年の11月から休んだままに今年度が終わる。

 

時の流れは待ってはくれない。

 

もう四度目の抗がん剤治療。R-EPOCH療法。

 

非ホジキンサンびまん性大細胞型B細胞リンパ腫及びバーキットリンパ腫の疑いあり。

 

他の臓器に影響があったので、がんの進行度は4段階のうちのステージⅣ。最悪です。

Ⅲだと思ってたらⅣだった。しかも、ダブルヒットの疑いあり。

 

これが私の今の病状。放っておけば間違いなく死に至る。

 

その為に始まった抗がん剤治療も、すでに4クール目。5か月目だ。

 

毎度の事ながらこの日も入院初日に心電図、心エコー、造影剤を使ってのCT、レントゲンと検査の連続で一日を終える。

 

二日目にCVカテーテルを首に装着。いつもは右側に付けているのだけれど今回は、首の組織が硬くなっているという理由から始めて左に付けることに。

 

付けると言っても人間の体。ワンタッチで付けるわけじゃなくて、麻酔を打って、針で穿刺をして心臓近くの静脈までガイドのワイヤーを通し、そのワイヤーに沿ってカテーテルを入れる。めちゃめちゃ痛い。何度やっても痛い。私は敏感で繊細で臆病でその上麻酔が効きにくい体質。毎回、うめき声と大量の脂汗を処置室に残している。今回もそう。結局、左の首の静脈は動脈と重なっていたために、右に入れた。

 

硬くなった組織を無理やりこじ開けて。

 

もう勘弁してほしい。この日は鎮痛剤のロキソニンを飲んで早々に就寝した。

 

病気や入院生活においては落ち着いてきた。

 

今ある自分の状況にある程度の目途がついた。

 

という事なのだろう。いつまでの病気の事ばかりを考えてはいられないし、いつまでも時の流れに身を任せるのも苦痛になって来ていた。

 

 この時は仕事の事なんかすでにどうでも良かった。

 

考えてもどうにもならないし退院してからの話だし、考えたくもなかった。考えても答えは出ないし考えることがストレスとなり苦痛になるからだ。

 

それ以外の何かをしなければいけないな。それだけを考えて過ごしていた。仕事の事を考える事から逃避するかのように。

 

この頃の私は、抗がん剤の治療も辛い状態で変わりはないし、副作用も増す一方で体の不自由さは日々日々増していた。

 

特にこの4クール目に入ってからは、味覚異常、手足の痺れ、めまいやふらつきが特に増していった。

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↑いつかの夕ご飯。この画像を見るだけでも食欲無くなります。

 

食欲も全くと言っていいほど無くなってしまった。病院食なんて見るのも嫌になっていた。

毎度のことながら、この食事を残すという事に対する罪悪感、背徳感は自分の中でどんなに理由を探してみても、かき消されるものではなかった。

勿体ないから残しちゃダメという教育を受けて育ったから、そうなのかなと考えるほどに私を苦しめた。

 

この頃から、以前にも増して食に対する欲求は高まり、自分が食べたものは全て写真に収めるようになった。Twwiterに自分が作った料理を投稿するようになったのもこの辺りからだったような気がする。

 

R-EPOCH療法に切り替えての抗がん剤治療。

薬のレベルは前回同様のレベル3。

日本人の投与量では多いレベルらしい。これ以上投与すれば命に関わるとも言われた量だった。

抗がん剤治療を始めて、目に見える副作用と共に目には見えない副作用というものがあるのも分かった。

 

それは、不安の増長と集中力の低下だった。これも個人差があると思うのだけど、入院前は本を読むのが好きで活字が読めないとイライラすることもあったくらいなのに、この入院生活が始まってからは1冊の本さえも読み終えることがなかった。

 

最初の頃は一時退院の度に数冊の本を買って入院生活に臨んだのだけれど、今ではその本たちも我が家の自室に積み上げられたままになっていた。本を読んでも夢中にはなれず、頑張って読まないと頭にその内容が入ってこなくなってしまった。本なんて頑張って読むもんではない。

私にとっての本とは夢中になって、もう寝なきゃ、もう寝なきゃと思っても次の展開が気になって寝れずに一気に読んでしまうものだった。続編があるものならば夜中にでも買いに行ったことも何度もある。それが今では一冊の本も読めずにいた。

 

好きな作者。好きなテーマ。好きな時代背景。色んなあの手この手の本を試しに買ってはみたものの、その試行錯誤の塊は高く積まれたまま、その役割を果たしてなかった。

 

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↑大好きなダン・ブラウンの小説も1ページも読んでない。毎回持っては来るのだけど。

 

 

その一方で私の生活に欠かせなくなったのが『創造』と『音楽』だ。

元々、絵を描いたり音楽を聴くのは好きだったが、最近はそれも必要に迫られたりとか頑張って描くことが多かった。でも、この入院生活が始まり、心に余裕が出来て来るとそれが楽しくも心地よくもあった。

 

抗がん剤の副作用で手に痺れがある私は以前の様にペンや鉛筆で紙に絵を描くことが出来なくなっていた。それが悲しくて悲して。とても悲しかった。

好きな絵さえも描けなくなってしまったのかと。その指の震えと痺れは自分の名前すらまともには書けないほどだった。

 

だから、パソコンで絵を描いてみよう。鉛筆では絵が描けない。だから、パソコンで描いてみよう。きっかけはこんなに単純なものだった。

でも、その知識が全くなかった。何をどうすれば?!ソフトは?!アプリは?!

チンプンカンプンのまま見様見真似でやってみた。すると、、、。

 

これが楽しかった!

 

震える手で、慣れないマウスで描いた絵が楽しかったし、どこか愛おしかった。

今まで自分が描いていたどの絵よりもへただし、テーマもくそもなく落書きのような絵。集中力が続かないから多くても10分程度で書き上げた絵。

 

それが愛おしかった。

 

 

その頃に描いた絵を紹介⇩

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『頑張っている人が居たら手を貸そうよ。』

 

 

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『見えないところで頑張っている人もいるんだよ。』

 

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『さあて、何処に行こうか』

 

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『急がば回れって遠回りしろって事じゃないからね』

 

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『急いだってしょうがないじゃない。』

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『周りを見てよ。誰かきっといるから。』

 

 

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『同じことを続けるってそれだけで尊敬するよ。』

 

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『雨も風もいつかは止む。それまで頑張れ。』

 

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『まだ、歩けなくても前には進める。』

 

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『必死になるのって、そう言う事なんだよね。』

 

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『ウサギの目が赤いのは、いっぱい泣いたからって親父が言ってたな。』

 

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『早く食べたいから汚してまで食べるんだよ。』

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『昔、我が子が私の指を握った。私も今、何かを握ってみよう。』

 

 

今まで出来てたことが出来なくなっても他のやり方で出来ることはあるんだな。

これがとても自分に希望と勇気を持たせてくれた。私は決して強い人間でも自信家でもない。でも、この挫折や希望を絶たれたところからのリカバリーは自分の長所だと思っている。何度でもやってやる、やり方変えて何度だって挑戦してやる。この考え方は子供の頃の秘密基地が何度も何者かの手によって壊されたときから変わらない。

 

この挫折から立ち直ることで自信もつくし強くもなってきた。

 

自分が失敗したり負けたりして悔しいと思ったことは諦めない。

 

そんな性格になった。初めてパソコンで絵を描き始めてから私は来る日も来る日も絵を描いた。抗がん剤で苦しい時は少し休み、夜中に目が覚めても、なんとなく絵を描き始める。中学生の頃にやってたようなことを40歳越えた今でも楽しめる。

 

上達はいくつになっても楽しい。

 

このパソコンで絵を描いてみようっていう発想が今後の私の人生にも大きな影響力を与えてくれて、今後の人生に少しでも光明を与えてくれることに期待したいと思う。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。感謝いたします。