胸の苦しみからの解放。
心膜液除去手術
手術は8時30分から行われると言うことで
しばらく時間があります。その間に、妻や実家に連絡をして手術室へと向かいました。
手術室に入ると大きな機械が有り、大きな音をたてて動いてました。ストッレッチャーから手術台に移され、緑の紙を体に被され、局部麻酔を射たれました。手術の恐怖と胸の苦しさで心拍数が上がります。
『大丈夫ですよ。落ち着いて下さい。息をゆっくりしましょう。』顔が覆ってあるので姿は見えませんが、女性の優しい声が聞こえます。
『今から始めますからね。落ち着いて下さい。大丈夫ですから。』そういいながら体をトントンと手でさすってくれました。
私は、この女性の言うとおり、出来るだけゆっくり息をし、気持ちを落ち着かせました。もう大丈夫だ!俺は助かる!大丈夫。大丈夫。さっきまで荒かった息も鼓動もスーッと落ち着いていきます。
意識がボーッとする薬を射たれ、意識朦朧とする中、聞こえてきたのは、
『では今から開始します。』
‼‼‼
あの担当医の声がします。お前がするんかい💢当たり前と言えば当たり前ですが、どうやら、あの担当医が手術するようです。…どうにでもなれ。一抹の不安を覚えながら手術は始まりました。
『母さん、お願い俺を守って。』そう心の中で、強く祈りました。
この後、心膜液を抜く手術と心膜炎の原因を調べるための生検をするための脇のリンパ節切除も同時に行われました。心膜に水が溜まった原因を調べるために行った生検は、これで3回目です。生検とは、細胞の中に悪性の組織があるかどうかを調べるため実際にリンパ節や組織を採って調べるために行われる施術です。
私の場合は、首のリンパ節、脊髄、脇のリンパ節の生検を行いました。どれも痛かったです。麻酔は局部で痛いですし、脊髄なんて、、、💧痛すぎて言葉になりません。
背骨の中を針⁉が通っていく感覚や骨に当たる感覚。そして、脊髄の組織を抜かれるときのあの『ブチブチブチっ!』という何かが引きちぎられるような痛み。
今思い出しても手汗をかいています。
無事に手術も終わり、病室へ帰ると妻が待ってくれていました。
『お帰り』
私は、ほっとして泣きそうになりました。
『ただいま』
『お帰り』
妻の子の一言が、この時の私にどれほどの安心と安らぎをくれたことか。
この言葉で安らぎを感じた私は、久しぶりに無意識のまま。しばしの眠りに落ちていきました。
急遽行った心膜液の除去手術。不安と恐怖で向かった手術室。そして、不信感を抱いてる担当医の執刀。今思い出しても、恐怖と怒りが湧き出てきますが、この時の私はその怒りも不満も表に出せるほど気力も体力もありませんでした。
それほど、体も心も疲れ切っていました。
でも、この心膜液を除去できたことによって少しは呼吸も楽になり、快方へと向かうんじゃないかとこの時は思っておりました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。次回は、術後について書いていきます。