(新)風邪だと思ったんですが。悪性リンパ腫闘病記

風邪だと思って病院に行って出された診断結果は『悪性リンパ腫』そこから始まった血液のがん、抗がん剤治療、副作用、不安な日々との闘い。 そんな私とその家族の日々を書き綴ります。

去年の約束も果たせずに。

誰でも記念日というものがあると思います。例えば誕生日。例えば大切な人と出会った日。などなど、今回は闘病記の番外編として私の大事な記念日について書いてみたいと思います。

 

果たせなかった約束。

 

今日、8月8日は私たち夫婦の11回目の結婚記念日です。色々と忘れっぽい私がこの日だけは忘れないようにと好きな数字の8が並んだ平成18年の8月8日に私たちは入籍をしました。

 

あれから11年。

 

数字の区切りとしては弱いですが私としては大変感慨深い結婚記念日となりました。

 

それはなぜかと言いますと去年のこの日、私たち家族は私と妻の結婚記念日を祝うために旅行に行った時のお話です。

 

その旅行先は、結婚して1年目の最初の記念日に夫婦2人で行った熊本県の天草にある旅館です。

 

その旅館は11年前に営業の仕事でこの地を廻って、そこの雰囲気が気に入った場所です。日本なのに日本ではない、地中海のような雰囲気の場所です。

 

そこに再び、今度は3人で行こうという事になりました。

 

まあ、旅行と言っても車で自宅がある熊本市内から1時間30分位の距離にある場所なんですが、考えてみれば今まで娘を海水浴に連れて行った事もありませんでした。そこで、娘を初めて海水浴につれて行くという計画も含めて実行したわけです。

 

向かった海水浴場は熊本県牛深市にあります『茂串海水浴場』。宿泊先の旅館はこの海水浴場に行く途中にあるので、片道1時間30分なんですが、この海水浴場は片道4時間弱のロングドライブです。正直、私もこの場所の近辺には仕事で一度しか訪れたことがありません。

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Googlemapを加工して使用させていただきました。赤い線がルートです。

 

朝5時頃に家を出て目的地の茂串海岸へと向かいます。この海水浴場に行ったことのある友人な話によると、熊本で一番綺麗な海水浴場らしいです。私も家族も期待に胸が躍ります。途中事故渋滞や食事に時間を取られて現地に着いたのは午前10時頃になってしまいました。

 

家から水着を着て来ていた娘も妻も泳ぐ気満々のスタンバイOK状態です。私は正直泳ぎがあまり得意ではないので浜辺でビールでも飲みながら焼きそばでも食べておこうと思ってました。

 

しかし、、、。

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この海が見えたとたんにそんな気分も長時間ドライブの疲れも吹っ飛びました。私も妻も娘も大はしゃぎです。澄んだ空に澄んだ水。最高です。

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この海を見るまでは泳ぐことはないだろうと思っていたのですが、あまりの海水の透明感に念のために用意していたシュノーケリングのセットを装着して潜ってみると、居るは居るは青や黄色の熱帯魚の数々。そして、銀色に輝く美味しそうな鯵の群れ。時間がたつのも忘れて家族揃ってはしゃぎました。

 

時間はあっという間に流れて、

 

夕方には宿に入り、豪華な海の幸や美味しいお酒に舌包みを打ちながら、開けた次の日も天草のマリンスポットを堪能することが出来ました。

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この時の嬉しそうに楽しそうな二人の姿を見て私は大変感慨深いものがありました。ほんの半年前は家族が離れ離れになりそうになって、その2か月後には熊本大地震。

 

私たち家族はそれも乗り越えて、この日こうして目一杯楽しむ事が出来たのです。

 

『来年の夏休みも絶対また来ようね。』

 

真っ赤に日焼けした顔で私の顔を見ていう娘の問いに

 

『じゃあ、パパ頑張って稼がないといけないね。』と言いながら、もっともっと頑張ろうと思ったことを覚えています。

 

でも、この日から3か月後に私は発熱してしまい、その一週間後には緊急入院。

そして、その一か月半後には『悪性リンパ腫』と告知をされてしまい生死を彷徨います。

 

入院中もこの時の写真を見返しては何度も涙を流しました。この時に戻れるならばと。こんなに喜んでくれるのならば、なんでもっと沢山旅行に連れて行かなかったんだと、何度も悔いて何度も涙を流しました。

 

でも、時は戻りませんし、私の病気もそんな簡単に治るものでもありません。

 

娘は、『今年は海に行かなくても大丈夫。』だと言ってくれます。でも、去年のあの笑顔を見た限りではきっと気を使ってくれているのだと思います。

 

『来年も来ようね。』

 

去年、娘と交わしたその約束はついに果たせそうにありません。悔しくて申し訳ない気持ちでいっぱいです。

 

月日がたつのも早いものです。後悔しても始まりません。

 

でも、またいつか一緒に海に行ける日が来たら精一杯の笑顔で

 

『また、来ようね。』

 

と言ってくれるように準備したいと思います。

 

先ずは健康にならないと。 

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 と言うわけで、今年は家族で家でゆっくりと晩餐を楽しみたいと思います。私が作った料理で妻と子供が好きなサーモンとエビのちらし寿司と子供が好きな茶碗蒸しとケーキを囲んで。

 

今、命がある事に感謝です。しかも家族と一緒に祝えるなんて。

 

これでも十分かなとも思います。

 

最後まで読んでいただいてありがとうございました。感謝いたします。